七野恭子税理士事務所

業績と資金繰り

個人事業主であろうと、法人であろうと、「業績はいい」(利益は結構上がっている)のに、なぜか「お金がない」という方はいると思います。

そもそも、業績が良ければ、それなりにお金がある(増える)のは、ある意味、当然なのですが、残念ながら、そんな単純なものではないところもあります。ですので、私は、顧問先さんには、「業績の良し悪し」(つまり、損益計算書の利益が上がっているかどうか)と「資金繰り」(お金が順調に増えているか、どうか)のどちらも大事ですよ、とお話しています。

ちなみに、業績と資金繰りが一致しない原因は、個人事業主と法人では、やや違う部分もあると思います。

個人事業主さんの場合、「事業用の預金口座」と「プライベートの預金口座」を区別して使われている場合が多いのですが、どちらにお金を置いておくか、は人によって、違っていて、例えば、「とりあえず、残ったお金は事業用に置いておこうか」という方と、「不要なお金は全部、プライベート用に振り替える」という方がいます。

私が関与させてもらっていても、後者(不要なものはプライベート用に振り替える)の方については、本当のところ、どれくらいご自身がお金を持たれているかは、私にはわかりません。この場合、何かのきっかけで、意外とお金が残っていないことが発覚する場合があったり、逆に、しっかり手許にお金を貯めている場合もあります。この両者の違いは、「プライベートでお金を使い過ぎていないか、どうか」です。

個人事業主さんについては、税務上の考え方も、基本的に事業により、発生したお金は全部自分のものです。そのお金を貯めようが、使おうが自由です。しかし、本当に全部使いきるような生活をしていたら、「家を買いたい」とか、「サロンの大掛かりなリフォームがしたい」とか、「もう一店舗開業したい」といったときに手持ちの資金がないために金融機関からの借入(ローン)ができない、ということもあります。

「生活レベル」というものはいったん、上げてしまうとなかなか下げることは難しいものです。もし、心当たりがあるならば、一度、その辺りを見直してみてください。

次に法人の場合です。こちらは、個人の場合も、同じですが、通常の「損益計算書」として、業績を見ていく場合、借入金の利息にあたる部分は経費となりますが、「元本部分」は経費となりません。また、自動車等のローンも、「減価償却費」として経費化はしていきますが、そのローン返済については、経費となりません。つまり、何らかの理由で、借入金がやや過剰になっていたり、ローン返済を多く抱えている場合、業績とは関係なく、資金だけがなくなっていくことになります。

法人の場合、お願いしているのは、「必ず、月末に法人名義の口座の預金残高を確認してください」ということです。ちなみに私は、「現預金残高」という場合、銀行口座の残高に、カードの未収分(月末時点で、その月の売上となっているお金が振り込まれていないもの、翌月に確実に振り込まれるもの)を足した金額を顧問先さんにはチェックしています。これが毎月、少しでも増えていれば一応はOK!しかし、残念ながら、一年に1度の決算時、または加えて予定納税時に納付税額が発生するので、必ず、そのタイミングで現預金は多少減ります。

ですので、1年を通して、資金が回していくには、やはり毎月、少なくとも納税分となる資金として、少しずつお金が増えていかなければ、「資金繰りがうまくいっている」とは言えないのです。

いかがでしょうか?どうか業績だけではなく、資金繰りにも十分、気を配って、金融機関に評価されるような健全経営を目指しましょう

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