近年、美容室業界の悩みは、もちろん、「集客」といった売上に直結したものはありますが、売上のほうが少し落ち着いてきたら、今度はだいたい「人材」についての悩みが主流となります。
「あと一人、スタイリストがいてくれたら」とか、「アシスタントがいてくれたら」という悩みはよく耳にします。仮に「いい人が入ってくれました」と聞かされていても、しばらくしたら「辞められました」というショックな話もたまに聞きます。
この悩みの一つの原因は「世代間格差」いわゆる「ジェネレーションギャップ」ではないか、と思います。美容室業界は、私が知る限り、10年、20年前は、本当に厳しい世界だったと思います。特に、専門学校を出て、すぐに入社したアシスタントは、朝早くから、夜遅くまで仕事をし、その後、毎日、それぞれ練習をする日々。しかもお給料はかなり低いものでした。
今、そんな厳しい修業時代を経て、立派にオーナーになられている方がほとんどだと思います。聞いていると、30代のオーナーでも、「今どきの新入社員は。。。」などと言われる方もいます。確かに、自分たちは、いろいろと厳しいことを経験して、一人前になったのだから、それと同じような苦労を現在の専門学校を出たばかりの新人に求めるのは無理ありません。
しかし、時代はここにきて、やや急激に変化しつつあります。どの業種を見渡しても、ほぼ全ての業種で人材不足となっており、ホテルや飲食店、コンビニに行けば、当たり前のように海外から来られた方が、中には日本人より上手な日本語で対応してくれます。
理美容室の業界では、まだ、海外からの方が仕事をされていることはあまり見かけないように思いますが、それだからこそなお、人材不足が深刻だともいえます。
先日、とある美容師さんと人材について、お話させてもらったのですが、彼女曰く、「20代くらいの若いオーナーのほうが、うまく若い新人さんを育てているように思います」とのことでした。聞けば、従来の「上から厳しく指導、指示する」という立場ではなく、「同じ高さの目線で一緒にやっていく」という感じだそうです。
「同じ高さの目線で」と言われても、具体的にどうしたらいいのか?と思いますが、例えば、給与一つとっても、現在、色々なものが値上がりしていて、生活をしていくのは本当に大変です。地方から出てきて、一人暮らしをしている子がいったいいくらあれば、普通に生活できるのか、は多分、この数年前と比べても大きく変わっていると思います。もちろん、オーナーとしては、経営を考えるのも大事ですが、可能であれば、初任給(試用期間後)を少し多めにしてみる、というのはアリかな、と思います。
以前、とある経営者さんから、こんなお話を聞きました。「ウチは、新入社員の給与は他のサロンより1~2万円いいと思う。だけど、スタイリストデビューした後は、やや抑え気味にする」つまり、本当に厳しい時期は少し多めの給与を出して、流出を防ぎ、スタイリストさんとして稼げるようになったら、それなりには払うけど、バンバン気前よく払う、ということはしない、ということだと思います。
もちろん、今の時代なので、決して、給与だけの問題ではなく、休日など他の待遇面、また、サロンでの人間会計(トップとの関係性)について(というより、こちらのほうが大事?)一度、今のやり方、接し方が正しいのか、どうかを考えてみてください。
オーナーの信念は大事です!技術を向上させていくことも大事です!
でも、そのための方法については、山の頂上に行くのにいろんな道筋があるように、いろいろな方法があります。「上から目線だけではなく、同じ目線で」というコンセプトについてちょっと考えてみてください。何か気付きがあれば、嬉しいです。